レース前、20分ほどローラー台でアップ。じっくりゆっくり心拍をLT付近まで上げる。体調はどうやら絶好調のよう。前日の試走でも、坂を上っているとき体調のよさを感じていました。
Cクラス、チームメイトの勝利をみて、さらにテンションアップ。「さあ、やってやる!!」と気持ちも新たになった。そして迎えたAクラススタート。スタート地点ではチームメイトとその家族、そして妻と息子たちが声援を送ってくれている。
みんなのためにも、無事にゴールしたい。願わくば、1位で。いつもならドンドン緊張していくが、不思議と落ち着いている自分がいた。
そしてスタート。1周目。集団前方で最初の坂に。自分の感覚では300W弱でのクライム、時間にして2分。これなら今までの練習よりはるかに強度が低い。無駄に脚を使わなければ、坂で無理をしない限り、スプリントに備えて脚を残せておけると感じた。下りもガンガンいける。集団もいい感じで進んでいく。下りきったところのコーナーで落車発生。去年スプリントで競り負けて、今年目標にしていた選手がリタイアしてしまった。彼と最後にスプリント合戦したかったのに、残念。
2周目の上りでは若干ペースが上がる。でも無理せず、集団後方で淡々と上る。途中で起こるプチアタックにもいつでも対応できるように気を配った。
途中、何度も逃げが決まりそうになるが、集団で追うことで捕まえることができた。恐るべし集団の力。恐るべし、トイレアタックを決めた数年前の僕。
4周目、上りをこなしたあと、全身が攣りかける。こんなことは初めてだった。でもそんな極限状態でも心のそこから楽しいと思えた。あと1回上りきって、集団に食らいつけば、得意のスプリント。そう考えると、自然と力がわいてきた。
そして迎えた最終周、チームメイト、そして家族にアツい声援をもらって、集団についていく。最後の上りではやはりペースアップ。でも、日ごろの練習のほうがキツイ。なんだか、心から笑えてくる上りだった。上りきっても休むことなく下りの途中まで踏み倒すのが、Y‘s-racing魂。ガンガン踏んで下りをクリア。そしてファームでもアタックを気にしながらクリア。次に待ち構える電車坂。1人がダッシュ。それに追随した僕を含めた数名。残り1kmの看板が見えて、先頭から10mほど後方での位置取り。僕は3番手。これはいい位置。最終の鋭角コーナーを4番手でクリア。ここまでは作戦通り。優勝という二文字は捨てました。今からの僕の仕事は強化してきたスプリント、それも今年1番のスーパースプリント。これを炸裂させるのみ。脚はまだまだパワーが残っており、3番手の選手めがけてギアをかける。スピードがうそのように伸び、手前50mで刺して、さらにもがく。2位まであとわずか。でも時すでに遅しで、ゴール。なんとか自分のスタイルで3位を手にすることができた。
去年は準優勝でも悔しくて涙したレース。今年は1つ順位を下げたが、非常に満足のいくレースでした。でもこの3位を取れたのは、チームメイトのみんなの存在があったこと。そしてその家族の応援、なにより、この日まで練習する時間をいやな顔ひとつせずくれた妻、そして留守がちになる自分を許してくれた息子達、息子達の面倒を見てくれた両親のおかげだと切実に感じています。
スポーツは人がするもの。結果はその人のもの。でも、そこまでの過程にはいろんな人の力が複雑に重なり合っていることが今、ようやく理解できました。そして、ほんとに楽しいんだ!ということも分かりました。
来年からは勝利を貪欲にもぎ取るだけでなく、それに向かう過程をも楽しみながら、さらに真剣に取り組んで行きたいと思います。来年度もY‘s-racingは疾走し続けます。
応援どうも有難うございました。